離婚と面会交流と、親子断絶防止法案

離婚後初の面会交流で、面会中に、4歳の女の子がお父さんに殺されるという事件が伊丹市でありました。
無理心中だの変死だのと報道されていますが、殺人ですよね、これは。
女の子も、久しぶりにあったお父さんに殺されるという…女の子、痛かったし苦しかったことでしょう。
何よりショックだったでしょう。
お母さんも、約束の時間になっても子どもが戻ってこないと思ったら、こんなことに。
本当に、心が痛みます。

今、超党派の議員さんが、「親子断絶防止法案」を採択しようと動いています。
これができたら怖いなと思うのが、「基本的に面会交流を実施する」としていること。

DVで、逃れようと必死に動いている人も、簡単に逃げることが難しくなってしまう法案です。
そこをもうちょっと、配慮してもらえないものか。

DVは意外と多い

DVって、意外と多いのです。
本当に多いです。

でも、「子どもの父親を犯罪者にしたくない」とか、「恥ずかしい」といった理由から、DVが理由だと対外的におっしゃっている方なんてほとんどいません。
「性格の不一致」なんていう理由で、本当の離婚原因をにごしているけれど、よくよく話を聞けば「実は近所の人が通報してくれ、警察沙汰になった」「暴力をふるわれ大怪我をして数ヶ月入院した」なんていう方、大勢いらっしゃいます。

そういう方が、理由をぼかしたまま子どもを連れて逃げると、父親は「子どもに会わせてもらえない」と周りにぼやきます。
周りは、理由を知らないので、父親に同情します。

DVはしっかりとＤＶだと、正面から堂々と大きな声で訴えなければならない時代になりつつあるようです。
遠慮していたら、子どもと安全に暮らすことができません。

裁判所や調停でも、DVだからといって面会交流が一律に制限してもらえるわけじゃなさそうです。
DVだといくらうったえても、子どもが父親の暴力で骨折させられたのに「子どもが死ぬような怪我したわけじゃない」といって面会交流させられることになった…とおっしゃる方もおられました。
既に、DVだからといって面会交流が断りにくくなっている状況の中で、この流れが促進されたらどうなるんだろう。

今の流れが心配になります。