たらい回しはなるべく避けたいですし、難しい案件もお話をよく伺いご相談に乗るけれど…それでもご依頼を途中でお断りする場合のこと

こんにちは、きくちです。

前にも同じようなことを書いたか、全然違うことを書いたのか、忘れてしまったのだけれど。

専門性は維持したいけれど、たらい回しは避けたい

一口に「行政書士」といっても専門性というものがあるので、お客様からお問合せいただいたら何でもかんでもお受けするのは避けています。
これは、例えば補助金なら「うまく行きそうなものだけ受ける」とかそういうことじゃなくて……弊所の場合、補助金はご依頼順に〇件まで受けますよって必要に応じて告知し、先着順にしています… … そうではなくて、私よりもっと専門性の高い同業の先生を存じ上げていたら、そちらを紹介したほうが良いだろうと思うのです。

また、やったことが無い業務については、正直にそのままお伝えします。
ざっくりお話をお伺いして、どうも不案内な案件で自信がないと思えば、お断りします。

その際に、たらい回しにするのはイヤですしせっかくご相談いただいたのに失礼だと思うので、お客様の要望に応じて、ご紹介をいたします。
「別の先生を自分で探します!」
ということでしたら特にご紹介しませんが、誰か紹介してほしいと言われたら紹介します。
私が知っている先生で適切な人が居なければその旨を伝えて、お客様がよろしければ、新潟県行政書士会にその業務を行っている人の照会を依頼することもあります。
また、紹介先にお伺いした内容や経緯を伝えてほしいのでしたらそうしますし、そこまでは不要だということでしたら何も伝えず、連絡も入れません。

たらい回しはイヤだろうなぁと思う反面、「紹介なんて言って紹介料を取るんじゃないか」と疑う人もおられますので、この辺りは全部ご要望次第にしています。
紹介については、わたくしとしては善意ですることですので、変に疑われるのもお互いの信頼を損ねるだけですから。

一方他所で放置されたりたらい回しにされたりした案件は

一方で、弊所にはいわゆる難案件、面倒な案件、というものが集まりがちです。
昔、そういう案件をいくつかやりましたら、その時のお客様が
「この先生ならとりあえず話は聞いてくれる」
「悪いようにはしないから」
というふうにご紹介してくださるので、見事なぐらい変わった案件が集まります。

あとは、他所で1年放置されていました、とか。
どうもたらい回しにされて、どこでお願いしたらいいか分からないとか。

こういう案件は、着手してみると、先代がやった許認可がそもそも間違っていて長年現状と相違していたり、箱モノ(施設、建物、設備)の権利や要件が複雑化していてそれが許認可に影響していたり。
解決するのにいろいろな法令に当たらないといけなくて、一言で言うと、大変なのです。
合理的ではないです。
これら失敗や複雑な権利が、全部セットになっていることもあります。
要件を満たしていても、一筋縄ではいかなくて、諦める場合もあるかもしれません。

こういう案件を、地元の同業の先生に限らず、都内の業者さんなんかが、放置することがあるようです。
放置だとお客様もなんで進まないのか分からないので、できない案件ならきちんとお客様に断ってほしいと思いますが。

先に書いた専門性云々の話とはやや矛盾するのですが、こうした難案件のご相談をいただいた場合は、とにかくお受けしています。
例え専門外であっても、です。
これ以上、たらい回しや放置になるのは、気の毒ですし。

専門外の業務は、法令に当たったり書籍買わなきゃいけなかったりで、わたくしとしては効率が悪いのですが。
でもここで解決しておかないと。
それに、こういうのを好んできれいにやる物好きなんて、私以外、そうそう居ないでしょう。たぶん。

余談ですが、今抱えているとある案件も、某士業の先生から
「毎度のことながら、どうしてこういう案件を掘り起こしてくるのか」
と、なんじゃこりゃーと爆笑(または苦笑)されました。

それでも業務の継続を断念することもあります…つまり断るということです

こんなふうに、「専門性がある案件」と「よそで断られたり放置されたりたらいまわしされた案件」をお受けしているので、結果的にいろんな業務をお受けしておりますが、こんな弊所でも、ご依頼を受けておきつつ途中でお断りすることがあります。
実際のご依頼の際、契約書をかわすときにもきちんとご説明するのですが………簡単に言うと、信頼関係破壊に至った場合です。

例えば、役所での事前確認が必要だとお伝えしてあるのに、ある日突然
「工事完了しました」
とご連絡いただいた場合。

また例えば、ここを直して下さいと助言しても対処せずに、しばらくしてから
「何とかしてください」
とか。

許認可にしても、顧問契約における助言にしても、必要だからこそお伝えしているので、それをやらないとなると、いろいろと危ぶまれるのです。

先の例でいくと、事前確認の前に工事が完了してしまって、その後慌てて役所に確認したところ、偶然要件に合致していたとしましょう。
だとしても、やっぱりそのご依頼はお断りします。
許認可は、一つ一つの手順を踏んでいかないといけませんので、途中でそういうことがあると、何かトラブルがあったときに非常に困るのです。
お客様との口頭での打ち合わせを全部録音しているわけではないですし、助言を無視されたり事後報告されたり報告無しだったりすると、許認可に至らなかった場合や、あるいは許認可に至った後で違反が発覚した場合、その責任問題が生じかねません。言った・言わないの水掛け論になる恐れがあります。

弊所は、非常に信頼関係を大切に、業務にあたっております。
難案件は特にシビアな対処が必要とされることも多く、信頼関係が損なわれますと、突然案件が進められなくなることもあります。
ここまでに書きましたとおり、妙な駆け引きや誤魔化しはしておりませんので、誠実に業務遂行させていただければと思います。

オマケですけれども、弊所では最初に案件の概要をお伺いして、お見積書をお出しするのですが、その時に
「質問されなかったから答えなかった」
「質問されないから含まれていると思ってた」
と言って大切なことを…例えば付随する許認可ももう一つとりたいとか、大事な要件が隠されているとか…伏せたままにしておくお客様がたまにおられます。
そうしておいて、その分の金額を丸め込み、実質的に値引きさせようというのです。

そのことだけで怒りはしませんし、何ならその分の値引きも話の内容によっては応じますが、やっぱり互いの信頼関係にヒビが入ることだけは、ご了承ください。
何か隠しているんじゃないかなと思いながら業務にあたることになりますし、業務遂行中も何か隠しておられたり事後報告があったりすると「やっぱり無理だな」となってしまいます。
許認可は、取れれば良いのではなくて、許認可を取るのがスタートラインですから、そこは法令に沿った状態でやって、その後長く事業が続くようにしないといけません。そのためにはやはり、何か隠されていると、業務遂行は無理なのです。

Follow me!