初めての特別代理人。そして家庭裁判所に上申書を出しました。
こんにちは。トマト行政書士事務所の菊地です。
今日はどきどき初仕事のお話でも。
特別代理人になりました
いつもお世話になっている司法書士の先生から、特別代理人のお話があり、「やったことないですが責任もってきっちりやりますので!」と、お受けしました。
特別代理人、初体験。
特別代理人といっても、そんなに変わったことをするわけでもないし、きちんと調べながら手続きすれば大丈夫…、と思って。
特別代理人って何かと言いますと…
例えば、相続のケース。
相続人の中に、未成年者がいて、未成年者の親権者と未成年者本人とで、利害が相反するようなとき、未成年者に特別代理人がつきます。
未成年者の利益を守るためですね。
相続人の中に、成年被後見人(認知症などなどの理由で成年後見制度を利用している方)がいるんだけど、その人と成年後見人との間で、利害が相反するようなとき。
成年被後見人と、成年後見人が、同じように相続人だった場合などですね。
そういう場合も、成年被後見人に特別代理人がつきます。
特別代理人選任申立というお手続きをすることになりますが、家庭裁判所へ書類を提出するので、司法書士や弁護士の業務になろうかと思います。
申立そのものは、そんなに難しい書類でもありませんので、特に士業へ依頼なさらない方もおられるかと思います。
尤も、その相続の内容によっては、書類に事情を的確に記載する必要がありますし、難しいケースもありますから、実際のところは士業へ依頼なさる方が多いでしょう。
特に事情が無ければ、特別代理人には適当な親族の方や手続きをした士業本人が就くことが多いと思われます。
そんなわけで今まで特別代理人はやったことがありませんでした。
特別代理人そのものはそんなに難しくないが…
「お受けします」と伝えて必要書類をお送りしたら、数日後に家庭裁判所から「回答して返送してください」書かれたお手紙とともに、書類が届きました。
回答書というタイトルの書類で、今回の相続に関する意見を求められるものです。
遺産分割協議書案は見ましたか、とか。
それについてどう思いますか、とか。
相続について「どう思う」って言われましても……
煩悩だらけの私の脳みそには、即座に以下3つの選択肢が思い浮かびました。
- 民法その他の条文を引用して、相続分の計算式を展開し、相続について説明を詳細に記載する?
- 今回の相続の事情等、特筆すべきことを書きつつ、法定相続割合との兼ね合いにも触れる?
- 其の他思いもよらない内容を記載しなければならない!?裁判所だし!
答えを知っている方からすれば、特に3番の選択肢は
「アホか!」
なんですけど、私は石橋を叩いて叩いても安心できずに爆破してみるタイプ(笑)なので、一応家庭裁判所に電話してみました。
「士業の先生の場合は特に、そのままさらっと書いてください」
…さらっと。
さらっと。
さらっ……
「はい。」
勿論、答えは2番でしょう。
ちゃんと士業らしく、今回の件に関する要点を押さえて、簡潔にさらっと書きました。
やればできるのです。
ただちょっと、やったことのない業務は特に、頭に雑念がチラつくだけで。
提出してしばらくしたら、家庭裁判所から審判というタイトルの書類が送られてきて、私が選任されたと書かれてありました。
良かった良かった。
ちなみに、私が士業だから、裁判所からのアドバイスが「そのままさらっと」なのです。たぶん。
その昔、長島茂雄氏が当時選手だった原辰徳氏に「ビューっと来て、バシンと打つ」とアドバイスしたようなものです。…たぶん。
一般の人が質問にいくと、もっと懇切丁寧に教えていただけるようです。
と、なぜか裁判所のフォローしてみました。
お手続きで困っている方は、怖がらずに裁判所へ電話してみてくださいね。
手続き方法が変わります、で、報告したら、上申書がいるといわれました
そんなこんなでしばらくのほほんとしていたら、某相続人の代理人から遺産分割協議書が届く…と思っていたら、相続分譲渡証書が送られてきました。
あわせてご連絡も来ました。
頂いたご連絡の要約は以下のとおり。
「家庭裁判所には遺産分割協議書(案)を出したけど、相続分譲渡証書に変更になったから、家庭裁判所に報告しておいてください。書類のとおり、財産額に変更はありません。並行して相続分譲渡証書は署名捺印してこちらへ返送してください。」
お、おう。
家庭裁判所に報告…。
…え。
報告書出すの?家庭裁判所に報告って何するんだべ?
とりあえず、家庭裁判所に電話して、担当の書記官にご報告。
「はい、分かりました。このお電話での報告でけっこうですよ。」
あ、そうですか、良かった。電話だけでいいんですね。
「あ、ちょっと待ってください…その相続分譲渡証書のコピーも送ってもらえますか。」
コピーですか、わかりました。そうしたら、署名捺印してから、コピーとったものをそちらへ送りますね。
「ええ、そのコピーにですね、上申書つけてくださいね」
え。上申書。
「えぇ、お手数でしたらつけなくても、報告そのものはこのお電話で受けましたので、上申書無くてもいいのですが、もしも先生がお手数でなかったら、上申書つけていただけますか。」
上申書。
「えぇ、こういう事情があって相続方法が変更になりましたーとかですね。特別代理人からの上申書つけてください。」
はい分かりました…
………分かりましたって言っちゃったよ。あぁあ。
どうするんだ私。
上申書なんて書いたこと無いのに………
やってやったぞ上申書!…っていうほどのことでもないか
裁判所に提出する上申書なんて、見たこともありません。
考えた挙句、裁判所のHPを検索。
破産事件用や不動産競売等の上申書書式等はあるものの、今回に使えそうな書式はなし。
残念。
うーん参ったなと思いつつ、裁判所の書式数件を見て、必要と思われる要点を全部おさえ、かつ、今回の事情を要点をおさえて簡潔にさらっと書いてみました。
もっともらしいレイアウトにして、完成。
司法書士にも、上申書を出した旨を報告。
行政書士ですからね。
裁判所に書類出すことなんてありませんしね。
なんだかすっごく緊張しました。
要点を抑えて簡潔な文章にするの、楽しかったな。
だいたい、予想外のことが起こるとわくわく楽しくなるタイプです。
またそのうちに、機会があったらお声がけくださるといいなー。