離婚について、専門家の選び方とポイント

離婚するときに選ぶべきは、弁護士?司法書士?行政書士?
離婚について、「依頼するべきは誰?」と質問されました。

確かに、よく分からないですよね。
士業、多いですし。
普段、ごく普通に生活していたら、士業の人なんてなかなか身近にいらっしゃらないでしょうし。

だから、独断と経験と偏見で、素直に書こうと思います。

相談先に困っている人のために書きますので、うちの営業売り込みだとか、他士業を攻撃牽制するとか、そういう記事ではありません。
どうぞ、素直に読んで、参考にしてください。

揉めているか揉めていないか…境目は?

まず第一に、重要なポイントはここだろうと思われます。

揉めていたら、弁護士に相談。
揉めていないなら、他士業に相談(弁護士でもいいです)。
揉めていなくても、「専門家を通じて相手に交渉したい!」なら、やっぱり弁護士に相談。

…専門家を通じて相手に交渉する時点で、もめる予感がしますけどね…。

ここで言う、「揉めているかいないか」の境目はどこかというと。
(全く揉めていないのに離婚するわけないですよね?)
お二人で話し合っても駄目、離婚の条件がまとまらないとき。
これはもう出るところに出なきゃ駄目だ、調停だ!裁判だ!!となるのでしたら、それは「揉めている」状態といえます。

調停だ、裁判だとなったときに「誰か専門家に相談したい」のであれば、間違いなく弁護士でしょう。

司法書士も調停の書類は作成できるけれど

司法書士の先生も、調停に関する書類を作成することはできます。
でも実は、調停を申し立てる際の書類作成だけなら、そんなに難しいものではないので、ご自分ですることも十分可能です。
※書類作成をする時間が無いならば、司法書士の先生に依頼するのもいいと思います。

調停について、司法書士と弁護士で大きく違うのは、調停の場に同席してもらえるか否かです。
司法書士は、書類作成だけなので、同席してもらえません。
弁護士には同席してもらえます。

調停で大きい違いはここだろうなと思います。

第一に。
実は調停委員って、法律の専門家とは限りません(法律の専門家の場合もあるので一概には言えません)。
だから、法的には「ん……?」となっちゃうようなことを言われる場合もあります。
そういうとき、専門家が同席していれば、すぐに反論してもらえるかもしれません(弁護士によりますが)。
第二に、調停は、裁判とは違って、「誰かが判断を下す」場ではありません。
あくまでも調停は、お互いに交渉する場です。
その場の流れで、必要以上に譲歩してしまう場合もあれば、必要以上に強気に出てしまうこともあるでしょう。
「ここは譲歩しないで、いっそ審判or裁判にしたほうが得」かどうか、弁護士が居れば教えてもらえます(弁護士によりますが)。
第三に、相手の出してくる条件が妥当なものかどうか、調停委員の方がアドバイスすることはまずありません。
その場に、法律の専門家に同席してもらえたら、心強いですよね?
第四に、相手方に弁護士がついていたら、弁護士は専門知識をフル活用してくるでしょうから、こちら側も弁護士を依頼しないと苦しくなります。
調停委員の中には、弁護士が発言したことに従いがちになる方もいらっしゃると聞きます。
尤も、法律の専門家ではない調停委員さんの場合は、そうなってしまうのもうなずけますけども。

そんなわけで、専門家に相談するのであれば弁護士だろうなぁと思います。
調停からそのまま審判or裁判へ移行するとなった場合も、最初から弁護士さんに相談しておけばスムーズです。
専門家に、調停を申し立てるための書類作成だけを依頼したいのであれば、司法書士もあり得るでしょう。

ただし、お金はかかります。
報酬については直接、司法書士さんや弁護士さんに聞いてくださいね。
でも、一般に、司法書士さんへの報酬よりも、弁護士さんへの報酬のほうが高額になります。
それは、単に「弁護士=高い!」ではなくて、上に書いたように、やってもらえる内容が違うのです。

調停は自力でやり、その次(審判もしくは裁判)に移るのであれば弁護士に相談というやり方もあるでしょう。
(でも、前に書いたとおり、調停の場であっても相手方が弁護士をつけていたら、こちらは苦しくなりますよね。)
状況に応じて判断することになります。

揉めていないなら知識と人柄重視!弁護士でも司法書士でも行政書士でも

現状もめていなくて、書類作成だけでしたら、離婚案件を扱っている弁護士、司法書士、行政書士、どの資格でも大丈夫と思います。
資格で判断するべきではないポイントかもしれません。

「離婚に伴って登記の手続きもあるから司法書士と聞いたけど…新潟で離婚を扱う司法書士の先生っているの?」っていう質問を頂いたこともありますが、これもあまり気にしなくていいでしょう。
…たぶん。
ふつうの先生は…って書こうと思ったけどそうでもない事務所もあるかもしれないので…少なくとも、当事務所の場合は、他士業の先生と、それなりに仲良くしていて、つながりがあります。
離婚に伴って登記の手続きがある場合も、うちの事務所を通じて手続きしていただけます。
それによって、マージンのような報酬や紹介料をいただくことはありませんし、司法書士の先生の側も、私のほうで書類を整理して作成しお渡しするので、かなり割安にやっていただいています。
手間としては(報酬もそうですが)、結局同じです。
もしも、お知り合いの司法書士の先生がいらっしゃる場合などでそちらにご依頼なさりたい場合は、そちらでどうぞとお話しています。
その場合も、こちらでご準備できる書類は揃えてお渡ししています。

逆に、登記の移行手続きと、離婚公正証書の担当は別の人がいいだろうという案件で、司法書士の先生からご紹介をうけて、書類作成したことがあります。
こんな具合で、お互いに仕事をやりとりさせていただいていますが、当事務所はそれで特に紹介料等を払ったりもらったりは無いですし、司法書士の先生もそれは無いと思います。
当事務所がやりとりさせていただいている司法書士の先生は、とても真面目で親切な方ばかりですし。

知識と人柄重視

あとは、個々の知識と人柄を重視することになると思います。

知識はとっても重要です。
金融関係の知識その他、きちんと持っている方にご相談なさったほうがいいと思います。
ちゃんとプロ意識を持って、勉強しつづけている人がいいでしょうね。
法律そのものが変わらなくても、例えば面会交流のことなど、実際の運用面が大きく変わっているものがたくさんありますので、勉強していない人に相談すると、思わぬ落とし穴があります。

それから、人柄といいますか、話しやすさもとても大切です。
話しにくい人を相手に話していると、自分の思うところがうまく伝わらないこと…ありませんか?
離婚に関しては、自分の意図がうまく伝わらないことほど、恐ろしいものはありません。
重要なポイントとそうでないポイントがうまく伝わらないとか、ニュアンスが伝わらないとか…怖いですよね。

何人か、専門家をピックアップして、ご相談してみて、それから決めるといいと思います。
専門家の相談、たいがいは30分~1時間で、無料~5000円程度かと思います(正確なところは各専門家にきいてください)。
当事務所の場合は、初回相談料金は5,000円をいただきますが、そのままご依頼になった場合は、ご依頼の業務の報酬から5,000円引きます。
つまりご依頼の場合は、実質相談料金無料です(あ、うちの事務所の営業してしまった…)。

できれば公証人役場へ行って作っちゃうのも避けたいが…

直接公証人役場へいって、公正証書を作ってしまうという方もいらっしゃいます。
個人的には、避けてほしいなぁと思いますが、ケースバイケースかなぁ…

避けてほしい理由は、簡単です。
基本的には、「言われたことを書く」のが公証人だからです。
「あなたがた、ここのポイントについて書かないですけど、いいんですか?」ってアドバイスしてもらえません。
あるいは、「こういうふうに条件をまとめていらっしゃるけど、こうなったらどうするの?」とか。

例えば…「養育費は○円です」という条件を決めたとします。
恐らく、公証人役場であればそのまま書くだろうと思います。
でも、うちの事務所で、「養育費は○円です」とお伺いしたら、それはそのまま書くとして、「塾へ行ったらどうするか」とか「大学生になったら○円と書くけれど浪人したらどうするか」など、確認します。
最初に決めておくほうが、後で話し合いするよりいいでしょうから…。

他にもいろいろあります。
私は、離婚業務は気遣い能力と想定能力をMAXに要する業務だと思っております。
…とはいえ、じゃあどの士業に依頼しても、気遣いや想定してもらえるかというと、そうでもないわけで、やっぱりケースバイケースでしょうか。
このあたりは結局、依頼する相手によりますよね。

ブログを読んでみて、安易に他士業を批判している先生は避けたい

最後のこれは、完全に個人的に思うことです。

離婚業務に限りませんが、「専門家の選び方」として安易に他士業を批判し、「だからうちに依頼したほうがいいよ」という記事が見られますけれども、その内容を拝見すると、ちょっと不安になる内容が多いように思います。

例えば、「行政書士や司法書士は裁判にせず自分の業務の範囲内で終らせようとするだろうから避けるべき」とか、「交渉権が無い士業に相談をすると、交渉せずに話をまとめようとするだろうから避けるほうがいい」とか。

具体的な個々の事案を指摘して批判するならともかく、「木を見て森を批判する」どころか、「何も見ていないけど森を妄想して批判する」先生が見受けられます。
そういう先生が、ちゃんと依頼者の話を聞いてくれるのか、妄想ふくらませるんじゃないかと心配です。
妄想による批判をもとに、「だからうちに依頼したほうがいいよ」という展開は無理があります。

ちなみに。
うちの事務所だけでなくて、仲良くさせていただいている弁護士の先生も、司法書士の先生も、「自分よりも他の先生にお願いしたほうがいいな」と思ったらそうします。
それで余計な報酬いただいたりしていません。
専門家というものは、自分の資格のもとでやれる範囲で、最善の仕事をするものだと思っています。

当事務所の場合で言えば、弁護士の先生に相談したほうがいいだろうと思う場合(何かの判断を要する場合や相手に交渉したほうがいい場合など)は、お知り合いに弁護士の先生がいらっしゃるかどうかお伺いしてから、弁護士の先生をご紹介しています。
揉め事になる・ならないに関わらず、交渉したほうが良い結果につながりそうな場合はご紹介しています。
私がご紹介するのは、とてもお話のしやすい、素敵な弁護士の先生です(…と思います)。
でも、お知り合いなどに弁護士の先生がいらっしゃるのでしたら、そちらにご相談なさっても私は全然かまいません。
逆に、弁護士の先生から、「公正証書作るだけになりそうだから」ってご案内いただいたこともあります。

当事務所に限らず、他の士業の先生と協力しながら仕事を進めていて、依頼者のために様々なことを想定できる話しやすい専門家。
そういうところへ(運よく)相談できれば、「うちが扱える案件じゃないな」となっても、他の先生をご紹介してもらえるでしょう。

最後になりますが、まとめ。

  • 揉め事なら弁護士へ!
  • 揉め事にならなくても、専門家を通じて相手に交渉したいと思えば、弁護士へ。
    (でも、これって揉め事になるような気がしますよ…)
  • 揉め事ではなく、自分たちで話し合って決めるなら、知識と人柄重視で専門家を選ぶ。
    • 複数の人(複数の事務所)と相談してみて、話しやすい人を選ぶ。
    • いくつか質問をしてみて、納得できる専門知識がある人を選ぶ。
    • 現状を勉強しつづけている(と思われる)専門家を選ぶ。

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