依頼した仕事をしてもらえない話4

つづき。最初からお読みになりたいかたはこちらをどうぞ。

あんまり長く連載しているのも疲れてきますので、そろそろ結論へ。

結局のところ、「契約書を準備しておきましょう」ということになります。
契約書って依頼される側が準備するんじゃないのか…とお考えかもしれません。
でも、依頼される側が何も準備していないようでしたら、依頼する側が準備してしまいましょう。
契約書は、どちらか片方を守るものではないんです。
両方が約束をまもるためのものが契約書です。

これが、「支払いをしてもらえない!」っていうトラブルでしたら、いろんな方法があります。
まず内容証明を送るとか。
裁判所で督促の手続きをするとか。
比較的、ご自身でも手続きができるような内容です。

ところが、「仕事しろ!」と要求するとなると、そう簡単にはいきません。

これが、仕事しないのが行政書士であれば、所属する行政書士会に相談すればいいでしょうし、弁護士であれば弁護士会に相談したらいいでしょう。
でも相手がデザイナーとなると、あくまでも争うのであれば、弁護士に相談をし、訴訟準備に突入しかありません。
同じように、何かの会に所属しているような人の場合であれば、そこへまず相談をするという方法もあるでしょうけども、そうではない場合なんかは、お手上げです。
となると、大掛かりな仕事であればともかく、少額な仕事をしてもらえない場合は、弁護士費用を考えたら泣き寝入りしかなくなってしまいます。

それを考えたら、契約書を交わして、そこに「仕事をしなかった場合の損害賠償」についての一文を明記しておけば、相手への抑止力となるでしょう。
契約書を交わす手間なんて、裁判の手間に比べたら、たいしたものではありません。

契約書は自分を守るための道具でもあるんだよ、というお話でした。

なお、契約書を渋られる場合には、「会社の規則で契約書を交わすことになっていて…」「最近顧問契約をして…」「急にコンプライアンス対策として契約書を導入することになって…」といった理由をつけてみてはいかがでしょうか。
相手が契約書を準備してくれない場合は、上のような理由をつけつつ、「だから契約書が無い場合は、社内で準備してあるものを使うことになっているんです。」と。


蛇足ですが、税理士とか弁護士とか行政書士とかが仕事をしてくれなくて、○○会に相談をするという場合、その会それぞれの雰囲気によりますけれども、やはり「証拠」が必要になります。
仕事を依頼した証拠、どんな約束だったのかという証拠、いつまでに上がるはずだったのかという証拠。
そこを考えてみてもやっぱり契約書、または、契約書とまではいかなくても、依頼内容等が分かる書類が必要となるでしょう。

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