「初めてです、やったことがありません」と伝える難しさ

お客様からお問合せいただいたとき、
「その業務、やったことありますか?」
と聞かれることがたまにあります。

やったことがあれば、yes。
無ければ、no。

単純なようでいて意外と、これを正確にこたえるのが難しいなぁと思う今日この頃。

初めてですが、責任をもって取り組みます

難しさのひとつは、
「初めてです」
が言い訳がましいニュアンスになっていないかどうか、ということ。

ただの情報提供としての「初めてです」で伝わっていればいいのですが。

「初めてです(だから少々のミスは大目に見てね)
とか、
「初めてです(だから多少の不手際は許してね)
とか、こういうカッコ内のニュアンスに受け止められたらいけないなと思うのです。

これから依頼しようというお客様なら、不安に思って依頼しないでしょうから、まだいいとして。
既に案件を進めている途中で、打ち合わせの最中に、
「こういう条件下でやったことはありますか?」
と聞かれて、
「初めてです(だからミスっちゃっても許してね)」
と受け止められたら、お客様は不安のどん底ですよね。

これはダメだよなぁ、と思うわけです。
だから、「経験がありません」とか「初めてです」というときは、すごく気をつけます。
気をつけるんだけど、うまくいっているのかな。
といって、「経験あります!」って嘘をつくことはしたくないですし。

厳密に言えば同じシチュエーションってあまり無い

難しさのもうひとつは、どこまで厳密に考えたらいいのかな、っていうこと。
その許認可の性質にもよるのですけれども、ちょっとややこしい許認可案件は、イレギュラーなことがありがちです。
だから、経験ありかなしかで言えば、けっこう「こんな経験ありません」というケースも多いです。

…いや、うちの事務所が多いだけかも。
イレギュラーな案件が多いとよく他の先生から言われるので。
でも、車庫証明ひとつとっても、案外イレギュラーな条件ってあるものです。

そもそも、すんなり進められる許認可案件は、自分でなさる人が多いですよね。
平日どうしても時間が取れないかたや、忙しいという理由でご依頼なさる方も多いですけど。
いろいろな理由で難しいから、お金払って手続きを依頼する。
時間的な難しさが理由の人もいれば、「どうも自分じゃ手続き進められなさそうだ」っていう人もいる。
となると、なかなか、規定どおりの手順で進められないケースもあるわけで。

だから、全く同じシチュエーションの許認可って、あまり無いんじゃないかと思います。
その、ほんの小さな状況の違いが、許認可で大きく影響することがあります。

「こういう条件下でやったことありますか?」と聞かれると、一瞬答えがつまります。
どこまで厳密に考えればいいのかなー…と思ってしまうので。

たとえば、創業時の融資支援案件があるとして。
全く同じ経歴の持ち主が事業主になる場合で、全く同じ融資額を希望で、同じ業種、自己資金額も同じケースがあったとしても。
どこに開店するか、物件がどこなのかで、融資結果が違うケースがあります。
それは、エリアの問題だったり、融資を申し込む金融機関の違いだったりもしますが、たとえお隣の物件だとしてももしかしたら結果が違うかもしれません。
…というわけで、やっぱり、「こういう条件下でやったことありますか?」っていう質問には、なかなか簡単にこたえられないなぁと思うのです。

まじめすぎなのでしょうか

「私まじめすぎなんですかねー」って上に書いたようなことを説明すると、同業の先生がたはたいがいこんなふうに言われます。

  1. 「適当に経験ありますって言って、あときっちり仕事すりゃーいーんだよ!考えすぎ。」
  2. 「やったことないなら、無いっていえばいいだけじゃないですか。」

細かいこと、考えすぎなのでしょうか。

「経験はありませんが、仕事はきちんといたします」
って言えばいいのかな。

営業的に成功している先生は、だいたいが1番のような気がします。
適当に「経験あります」どころか「専門です」ぐらい言っちゃうの。
私もそういえばいいのかなぁ……
いやこの前も、こっちからしっかり「経験ありませんがしっかりやらせていただきます」って最初っから言っちゃったし。
なかなか、経験が無いものをあるようにはいえません。

日本語難しい。

Follow me!