仕事を紹介。紹介って難しいですよね…ね?
こんにちは。トマト行政書士事務所の菊地です。
最近立て続けに、紹介するのも難しいと思ったあれこれがあったので、ぽつぽつとつづります。
「別にやってもいいんですけどね」と言われちゃった話
うちは、車庫証明業務も、ぽつぽつやっております。
主に、新潟市内が中心です。
新潟市内といっても、けっこう広くて、うちの事務所から新潟市のA区の端まで、下手すると車で片道1時間弱。
さすがに警察署はそんな外れには無いのですが、けっこう時間がかかります。
それじゃ、どこもかしこも時間がかかるかというと、そうでもありません。
新潟には「バイパス」という便利な無料道路がありまして、バイパスがつながっているお隣の新発田市までは、車で片道30分強。
新潟市内だから近いともいえないし、市外だから遠いともいえず、なかなか複雑なのであります。
それはさておき。
新潟県の某市での車庫証明申請を、「やってくれませんか」と言われました。
うちの事務所からは、ずいぶん遠く。
遠すぎて、知っている同業の先生が、いません。
別に、あっさりと金額を伝えてそのまま引き受けてもいいんだけど…私が引き受けると、交通費がかかって割高です。
だからお客様に、
「遠くでの申請になるので交通費がかかるから、某市で行政書士を探すほうが安上がりですよ」
と説明しました。
でも、お客様はそれでもかまわないとのこと。
引き受けてくれて感じのいい行政書士が見つからなかったそうな。
感じのいい………?
うーん。
なんだか引っかかって、インターネットで調べて、某市の近くの行政書士で、車庫証明をやっています!!と大きく宣伝しているところへ電話。
「あー…車庫証明……別にやってもいいんですけど、今○○業で忙しいから、日付指定とかされてもできないし、他当たったほうがいいですよ」
うーんうーん、ハズレですね。
試しにもう1件、車庫証明をやっているとホームページに書かれた事務所に電話。
「はい、株式会社○○です」
え。電話番号間違いましたかすみません…
「あ、行政書士のほうですか?お話聞きますよ」
あ、間違いじゃなかったんですか?
「ただ、本人外出してるので、折り返しになりますが…」
用件伝えて、折り返しを待っていたけど、結局折り返してもらえませんでした。
某市はちょっと遠いので、時間がかかるなぁと思ったけれど、こういう感じだと困るので、私が自分で申請することにしました。
紹介するのは難しい
仕事を他の先生に紹介するのって、難しいですね。
私の感覚だと、「別にやってもいい」なんて思っている業務は、ホームページに書かなければいいのになぁと思うのですが、ここらへんは本当に人それぞれです。
この、仕事への姿勢が、自分に似ている先生でないと、なかなか紹介するのは難しいなぁと思ってしまいます。
たかが車庫証明と言われればそれまでです(数千円~1万円程度の業務ですから)。
でも、たかが車庫証明であっても、やっぱり自分へお問合せくださった方には、それなりに対応したいですし。
全然知らない事務所の電話番号をお伝えして、
「ここ、申請地の近くの事務所で、車庫証明やってるとホームページに書いてありますよ」
って教えてあげるだけでも十分親切かもしれないけれど、でもなぁ……電話した先で、別にやってもいいけどなんていわれたら、お客様も気分悪いだろうしなぁ。
やっぱり、紹介は難しいです。
車庫証明に限らず。
他に仕事をとられたらしい話
今度は、また、別件。
ずいぶん前のことですが、とある行政書士のM先生が、○○に強い専門家を紹介してくれって言うので、A先生をご紹介したのです。
何の業務って言うと、いろいろバレそうなので、ぼんやりと書きますが…
その業務は、M先生と、他士業の専門家とで協力して仕事を進めていく業務で。
A先生がイケル!と判断したら、初めてM先生が動く感じでしょうか。
…で、M先生が、自分のお客様をA先生にご紹介して、まずは行けそうかどうか判断してもらう……と。
A先生、行ける!!と判断しました。
が、A先生、なぜか、そのお客様に
「新潟市にBという事務所があるからそこへどうぞ」
と言って、M先生ではなくて、B事務所とA先生との共同作業になりました。
この話を聞いた最初の感想は、「えっ…」と、絶句です。
絶句以外できません。
だってねぇ…仕事持ち込んだM先生を無視してB事務所へ仕事振っちゃう?そういうことしちゃうの!?とびっくり。
そういうこと、私なら、絶対にしないしあり得ないと思うのです。
とはいえ、うーん…難しい。
お客様を取ったり取られたりってけっこうあるみたいで
私がM先生にA先生を紹介したのは、ずいぶん前のこと。
M先生がA先生に仕事を紹介するのは数回目。
だからもしかしてA先生とM先生との間に何かあったのかしらと思ったりもするけれど…
そこまでは関知できませぬ。
普通は、こんな話を聞いたら、私はA先生をご紹介できなくなります。残念。
士業の世界も、なかなかシビアな先生方がいらっしゃいまして、
「○○先生に客をとられた!!」
なんていう話を漏れ聞くことがあります。
どうやるのか私には分からないのですが、お客を取ったり取られたり、している先生もおられるようです。
私にはどうやるのか、本当に分からないんですけどもね…
どうやると、他人の客をとることができるのか?
行政書士なんて、顧問契約しているのはわずかですしねぇ…社労士さんとか、税理士さんは顧問契約が普通かな。
そうすると、取った取られたの話になりそうです。
いや、行政書士も、許認可の更新を取り合いしているのかしら。
あぁ、そういえば、私も昔、「客を取られた」ことがありましたっけ。
書いていて、思い出しました。
ずーっと昔に、補助金の申請から法人設立からお手伝いしたお客様が、雇用関係の助成金もやりたいとおっしゃって、その方の会社のご近所にたまたま知っている社労士さんがおられたので、ご紹介したのです。
別に親しい先生ではなかったのだけれど、一つは交通の便が悪いところにその会社があったこと、もう一つはたまたま本当にすぐ近所の事務所だったので。
…で、半年ぐらいしたら、お客様からクレームが入って、
「○○の許認可を取ったほうがいいといわれて、キクチ先生に頼もうと思ったら、勝手に社労士の先生が親しい行政書士を連れてきたぞ!どうなっているんだ!!」
と。
うーん、私にクレーム入れられてもなぁ……。
と、思いましたが、お客様がこうして不満に思っているのだし、やっぱり紹介してあとはお任せとはいかないなぁ、事前に紹介する先生には意思疎通しておかなきゃだめだなぁと、反省いたしました。
当然、その社労士の先生には、もうお声がけしませんよ。
私が紹介したお客様のところへ、他の行政書士を連れていくだけでもあり得ないけれど、お客様を怒らせているのだから。
こういう常識的だと思うことの感覚が合う人って意外と少ないな、というのが正直なところです。
簡単に仕事を紹介!なんていっても、他の事務所へ仕事をふるのだって神経を使うし、紹介していただくのも神経を使います。
別に「取った取られた」の話にならなくても、お客様をご紹介した数日後に、
「あのさぁ…いいにくいんだけど、紹介してもらった○○先生、あれはダメだわ。もうお願いしたくないよ」
と言われたこともあります。
なかなか難しいものだなと、紹介には反省することが多いです。
こういうことを繰り返していくうちに、○○士なら○○先生といった具合に、信頼できる事務所が限られていくのでしょうね。
こうして考えると、紹介は、行政書士業務以上に、知識と経験がものを言うのだと思われます。