突然の電話で「必要でしたらお金は払います」って言われた話

こんにちは、トマト行政書士事務所の菊地です。

この前、とっても遠方の全然知らない事務所さんから、お電話をいただいて、突然「パスポート認証の依頼を受けたんですがやったことがないので、明日お客さんに会うから、すみませんがそちらで使っている書式をください」と言われてびっくりしました。
なんて返事すればいいか分からず黙っていたら、「必要でしたらお金は払います」と言われてますますびっくりしました。

えーっとまず…根本的に、その業務で書式ってどういうこと?

パスポート認証とは

「その業務」というのは、パスポート認証のことです。

よくあるのが、外国に銀行口座を開きたいからパスポート認証をしてくださいというご依頼です。

外国で口座開設するには、自分が間違いなく自分ですよという証明のためにパスポートを提示するんだけど、自分は日本にいて郵便でやりとりしますとなったら、パスポートのコピーを送ることになります。
でも、コピーというだけじゃ、偽造の恐れがある。
そこで、間違いなくこれは原本のコピーで、原本と同じ内容が書かれていますよという証明をコピーに付与するのです。

つまり、いわゆる原本証明を、行政書士が行うわけです。日本では、事実証明書面作成は行政書士が行うことになっています。

さらに、画像を載せましたが、私は行政書士証票のコピーに英訳文をつけて、これもあわせてお渡ししています。
これは、つける事務所が多いようですが、つけない事務所さんもあるようで、必ず要るというものでもなさそうです。私は、「原本証明をしている行政書士が、間違いなく存在してますよ」という証明のためにつけています。

提出先が指定した内容を盛り込まなければならない

パスポート認証って、「書式にパスポートのコピー盛り込んでハイドウゾ」で済む場合と済まない場合があって。
というか、むしろ、書式にこだわるほど書くべき内容が統一されていないと申しますか…

英文で「私はこの原本を間違いなく確認したのである」とでも書いてサインして終了でOKな場合があります。
これなら、別に書式なんて要らないですよね。
それから、提出先が指定した項目を盛り込む必要がある場合もあります。
これはケースバイケースの内容になるので、書式なんて言っていられません。

実例を挙げると、この前は、「原本を確認した場所の住所を書きなさい」というのがありました。
それとは別に、事務所の住所も書かなければなりませんでした。
確認した場所って事務所の住所なんだけどなぁと思いつつ、原本確認場所の住所も、事務所住所もそれぞれ書きました。
別の例では、「私はこの原本を間違いなく確認したのである」「この書面はオリジナルと同じ内容が書かれていることを行政書士の私が保証する」云々、書かなければなりませんでした。
ナゼかは分かりませんが、お客様がお持ちになった提出用の資料がやたらと詳細に書かれてあって、パスポートのコピーに添える文章も指定されており、しかも怪しい日本語でそのとおりに書くよう指示されていたと記憶しています。

こんな具合なので、書式でハイドウゾは危険なんじゃないかなぁ…まだお客さんに会ってないって言うし、何が必要なのかわからないよね?

プライド持って仕事してくださいね

…とまぁ、私は基本的に親切なので、書式でハイドウゾは危険ですよと教えて差し上げて、書式くれくれ(いるならお金払うけど)はお断りし、電話を切りました。その行政書士は「えー、それじゃ依頼断ろうかなー」とのたまっていました。書式にパスポートのコピー載せて終り、っていう楽な仕事だと思っていたそうで、英文書くのは苦手なんだそうです。

電話では説明しなかったけれど、私が親切にしてあげたのは、その変な行政書士に対して親切心があるのではなくて、その人のアホな職業態度のせいでその先のお客様に迷惑がかかることを避けたかったのです。

だいたいねぇ。
「書式ください」で黙ってたら
「必要でしたらお金は払います」ってどういう事?
そんな失礼なことを言われたのは初めてです。
ちゃんと報酬もらうんだから自分で仕事しなさいよね。
楽に儲けようとしちゃダメだよねー

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