「相手が有責で離婚する。子どもは相手が引き取る。今後一切の縁を切りたいので、相手の慰謝料と養育費を相殺して、もう何も払わなくても良いようにしたい…」
「慰謝料として毎月5万円支払う代わりに、養育費として毎月5万円もらうことになるから、相殺したい」

…というご相談をいただくことがあります。

一見、ゴモットモ!です。
実際、そんなふうに書かれた離婚協議書を拝見したことも、あります。

ちょっと待って!養育費は相殺できません

では、それが果たして有効なのか?と言うと、有効ではありません
要注意です。

ちょっと面倒かもしれませんが、民法を見てみます。

(民法第881条)
扶養を受ける権利は、処分することができない。

これを見て、意味を正確に理解するためのポイントは2つあります。

一つは、「扶養」。
ここで言う扶養とは、一定の関係にある親族間で、扶養を必要とする者が、扶養可能な人に、扶養を求める権利のこと。
これを、ちょっと乱暴な理解の仕方をすると、ここでは「養育費を求める権利」と思っていいでしょう。
(本当は、養育費に限らないのですが、ここでは省略。)

もう一つは、「処分」
処分とは何かというと、以下の4つが「処分」とされています。

  • 債権譲渡
  • 放棄
  • 相続
  • 差押

(民法第510条)
債権が差押えを禁じたものであるときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。

差し押さえを禁じたものは、相殺もできない、と。
そんなわけで、養育費は相殺できないのです。

「養育費は支払わない」と書いても無効です

上の「処分」のところで、「放棄」も処分に含まれると書きました。

そのようなわけで、養育費は「放棄」させることができないのです。
だから、たまに「養育費の支払は不要」などと書いた離婚協議書を拝見しますが、これは、無効です。

そもそも、養育費は、子どもの持つ権利であって、親の持つ権利ではありません。
一方的に「養育費は払わない!」と決めても、それがそのまますんなり認められるものではないのです。

じゃぁ、どうする?

相殺は、できない。
でも相殺したい。
そのときどうするか…

となりますと、相殺ではないのですが、実質的にどうしたいのかによって、そういう内容の文章を作ることになります。
とはいえ、今までに書いたとおり、そもそも養育費と慰謝料では、債権としての性質が全然違うものです。
ご自身で協議書などを作るのでしたら、無理に文章作らずに、振込み手数料が無駄にかかってもお金のやりとりを実際にして、銀行通帳にやりとりが記録されるほうが、無難でしょう。

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