こんにちは。新潟市の、トマト行政書士事務所の菊地です。

前回に続いて、元PCオタク(今はふつうのヒト)がAIについていろいろ考えて好き勝手書く記事。
AIについては、誰もが「好き勝手」書くしかないのです。
だって、まだどういうものなのか、いまいちハッキリ分からないんですもの。

今日は、よく言われるシンギュラリティ(※)と人間の能力発揮分野について適当に思ったことを書きます。
シンギュラリティに到達しても、「ホスピタリティ」「マネジメント」「クリエイティビティ」については人間のほうが得意だといわれていますが……本当かな?

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人工知能が発達し、人間の知性を超えることによって、人間の生活に大きな変化が起こるという概念を指します。2045年にシンギュラリティを迎えるといわれていますが、諸説ありますので、もっと早くなるかもしれないし、そんな日は来ないかもしれません。2045年なら、私はまだ生きていると思いますので、その日を楽しみにしています。

クリエイティビティはそんなに特別なものだろうか

さて。
人間が得意なものだとされる「ホスピタリティ」と「マネジメント」については、私には分かりません。
そこで、ここでは私が仕事にしているデザイン業務に一番関連が深そうな、「クリエイティビティ」について、考えてみたいと思います。

唐突ですが、人間のクリエイティビティって、そんなに特別なものでしょうか。

私自身は、長くWEB業界・デザイン業界におりました。
(いや、過去形じゃないです。今も仕事しております。)

よく、「デザイン業務をしています」と言うと、お客様からセンスがー云々と言われます。
でも私は、この仕事に、「センス」が関係しているとは思えません(いや、他のデザイナーの方々は分からないんだけど)。
センスって、何ですか?
(センスって、美的感覚のことですけどね。)
よく理解できないものをセンスっていう言葉で片付けていませんか?
センスは確かに必要なものかもしれませんが、決してセンスは魔法でも天性の感覚でもありません。
魔法で、デザインが成り立っているわけではないのです。
デザインとは、経験と技術と、思い通りのものができるまで諦めない努力。
超地味な作業です。
デザイン業務というと、クリエイティビティの発揮される分野なのだろうと思いますが、私の中ではどうも、一般の方がおっしゃる「センス」というのは魔法か何かと勘違いしておられるような気がして、ちょっと違う気がしています。

なんでこんなことを言っているかというと、「AIはヒトに比べてクリエイティビティは劣る」という理論に、センスいう魔法と相通じるようなにおいを感じるためです。
「創造性という魔法は数値化しにくく理解しにくいから、とりあえずそういうあいまいなものはヒトの特技ってことにしておこうじゃないか」とか…。
私がひねくれすぎているでしょうか。
確かにひねくれているのですが。

デザイン業務に必要なものは、過去のデザインを膨大に見てきた経験、最近の流れ、お客様の要望、商品の仕様、業界の特性。
これらをミックスさせたところに、さらに、お客様の要望を自分なりに解釈し、意向を凌駕させ、造形に落とし込むのです。
能力で言うと、「経験」と「理解」の二つに絞られると思います。
私なんかはたいしたデザイン業務をしておりませんが、それでも職業病で、買い物中など、パッケージの仕事を請け負っていなくても変わったパッケージがあると仕組みが気になり、目に留まるポスターを見ては、自分がどこに視覚的に引っかかってそれを見たのか考え、目を閉じて「このポスターから数秒で受け取った情報は何だろうか」とおさらいをして、ポスターの効果について考えます。名刺、看板、パンフレット、ポップスタンド……目に入るもの全部にこうしたアンテナを無意識に向けてしまいます。
こうしたことを自然とやり続けてしまうのです。
美術館へ行けば、美術鑑賞もいいのだけど、演出やパンフレットと美術品の配置やライトの当て方や…そうしたものも気になってしまいます。
この世の中はデザインであふれています。
そう考えていくと…AIは過去のデータを膨大に所有し、分析することができます。
当然、画像データについても。
私が日頃出歩いてチェックするよりも、何倍もの量をデータとして蓄積できるでしょう。
少なくとも、過去のデータを膨大に抱えているという点において、AIはヒトよりもずっと有利です。

やりようによっては、AIはかなりの「創造力」を発揮するかもしれないな、と思うのです。

とはいえ、その先をどう処理するのかが分かりません。
AIは新たなものを作れるのか?
現実的には、「AIを道具として使いつつクリエイティブな仕事をする」ことで、より良い仕事ができるようにするほうが妥当かもしれません。

「クリエイティブ」なAIを開発する意味

前回の記事にも書いたとおり、AIを開発するにはコストがかかります。
開発して、コストに見合うだけの儲けが見込めないと、AIは開発されないでしょう。
(もしくは、開発コストがすごく安いとか…)

例えば、前回の記事で確認した職業のAI代替可能性データによると、検針員はAIやロボットへの代替可能性が非常に高かったです。
そして、スマートメーター(メーターそのものに通信機能があり、自動的に検針して電力会社等へ使用量を通信する)が導入されて、既に検針員が廃止になっている事例があります。
スマートメーターの導入は、既にある技術を使って低いコストでできることなので、検針員の人件費がそんなに高いわけではないのだけれど、早いうちから代替を実現させたのでしょう。
このように、いろいろな要因で、代替が素早く進む可能性があります。

一方クリエイティビティについては、数値化がそもそも難しい。
というか、センスという魔法をとってみてのとおり、クリエイティビティというものの正体がよく知られていません。
だからAI開発を行うとしても、かなりのコストがかかるんじゃないかと思うんですね。

(コスト予測の根拠は私の想像と妄想なので、実はそんなにコストがかからないかもしれません。)

ただ…デザインや商品開発は、膨大なコストをかける価値があるかもしれません。
どういうデザインにすれば売れるのかが、膨大なデータから、ある程度予測がつくとしたら…?

デザイン業界にいる人間であれば、一度は聞いたことがあると思うのです。
クライアントと打ち合わせ中に、
「売れるデザインにしてよ!」
とか。
「売れればなんでもいいよ!!」
とか。

AIが、それらの「売れるデザイン・売れないデザイン」を分析できるとしたら。

しかも、AIはデザイナーと違って、夜も寝ませんので、夜中に「○○を修正して!」と言ったらすぐに直してくれそうです。

もしかしたら、商品の企画開発も、AIがやるかもしれませんね。
膨大なデータを元に、最も人間の要望を満たす商品を作る。
売れる商品を作る。
全くの新しいものなんて、なかなか生まれない世の中です。
過去の膨大なデータを分析して「新商品」を企画するのであれば、AIの得意分野かもしれません。

ここで念のために書いておきますが、商品開発は、全て「売れる商品」だけを目指して作られるのではありません。
同様に、デザインだって、依頼者の志向に沿えばいいというものではないし、むしろ意向を予想外の方法で凌駕するからこそのデザインでありクリエイティブです。
売れることだけを考える業者もありますが、そうではなくて、そのブランドに沿った「超越したもの」「いいもの」を作ろうとするメーカーも多いのです。
こんないいものがあれば、ヒトは幸せになるのではないか、もっと世の中が良くなるのではないか、など。
こうした、複雑であいまいな思考は、実際のところAIには難しいようにも思えます。
一方、「それなりに見た目がこぎれいならそれでいいよ」という「デザイン」で十分に役割を果たすケースだってあるでしょう。
そういう場合は、AIが十二分に活躍するのではないかと思うのです。
尤も、こういうケースもクリエイティビティと言えるのかどうかは、分かりませんが。

だから現実に使うことを考えると、AIに「売れる商品の特徴」を考えさせ、その結果にヒトが改良を加えていい商品やいいデザインを作り上げる。
そういうAIの使い方が、基本になっていくのではないかなと思います。
デザインや商品企画の際には、さまざまな市場調査を行うのがふつうです。
その手間が、AIによってかなり省かれるのではないでしょうか。

こう突き詰めて考えていくと、人間とはなんだろうという疑問に行き着く

いろいろとコネコネ書いていますが、結局、AIというものが今の段階でははっきり分からないので、なんともあいまいな妄想話に終始しています。
ここでふと疑問に思うのですが…AIにできなくて人間にできることって、何でしょうか。

まさか「食べること」「眠ること」だけじゃ、ないですよね…?
笑うこと?
確かに「プログラムが面白がる」ことは難しいと思うけれど、データをもとに、「こういうときは笑う」と指示してロボットに笑わせることはできるかもしれません。
ただ、ユーモア、面白いことをどうやって「データ化」するのか、全然想像がつかないです。

そうすると、AIと人間の違いって、「感情をもとにコミュニケーションをとること」でしょうか。
他には無いでしょうか。

先日、AI(東ロボというお名前だそうです)に東京大学を受験させるという試みが、断念されました。
MARCHレベルは到達するものの、それ以上へ行けないそうです。
MARCHレベルでも十分だと思いますが、それはさておき。
東ロボ君の断念理由に、「人間とは何か」のヒントが隠れていそうなので、調べてみました。
記事によると、東ロボ君は過去の膨大なデータから、問題の回答を類推することはできるのです。
暗記、計算は得意です。
でも、文章を読んで、意味を理解して、そこから回答することができないのだそうです。
文脈が、理解できない。
早い話、AIには人間の常識が無い(常識なんてデータにありませんから)。
それも、基本的な常識が、無い。

たとえば中国の三国時代の問題。東ロボくんが学習した用語集には「魏王曹操の子・曹丕」という記述があった。問題文では、「魏の初代皇帝となった曹丕の父は誰か」という聞き方になっていた。東ロボくんは親子関係を理解しているわけではないので、データベースとしては情報を持っているのに、正答できなかったのだ。

東ロボ君はデータとして「魏王曹操の子・曹丕」と知っていたにも関わらず、「曹丕の父は誰か」と聞かれて、答えられませんでした。
その理由が、子とか父とかの意味が分かなかったこと。
ヒトからしたら意外な理由です。
このように、人間は無意識のうちに膨大な「常識」データに基づいて、いろいろなことを判断しています。
AIは意外なところでつまづくのかもしれません。
AIは、意味を理解することができないのです。

恐らく「理解」というのは、さまざまな方向の情報と情報を交差させ結びつけないとできないことなのです。
複数方向、膨大な数のベクトルになるかもしれません。
そのようなことはたぶん、AIには無理でしょう。

AIは教えられていないことはできません。
AIの持つ情報は、非常に指向性が高くて、そこから少しでもそれてしまうと、使えません。
人間は意外と、自然に、幅広くいろんなことを教えられているのです。

いやちょっと待て。
ちょっと前に、AIが書いたという記事を見かけました…AIは、意味を理解できないのに、どうやって文章を書けるのでしょう?
私は、プレジデントでの特集記事で、AIに記事を書かせるという内容を読みました。
そのやり方を見たところ…簡単な流れとしては、
1)記事データを膨大に覚えさせ、文脈と単語に区切る 2)プレジデントらしい文章構造を覚えさせる 3)意味的に近い単語(一緒に使われることが多い単語)と書きたい記事内容から抽出した単語を選択して、並べ替える
…ということのようです。
特に、言葉や文章の意味を把握しているわけではないのですね。

そう考えていくと、ロボットやAIに「仕事を奪われない」ためには、
1)AIを開発するコストが高い仕事(開発コストと代替する仕事のもともとのコストとの比較)
2)儲からない仕事
3)過去のデータが参考にならない仕事
4)コミュニケーションと理解力を要する仕事
となるんじゃないかと。

…え?食えない仕事と言われている行政書士は安泰?開発コストに見合わない?(笑)

それはともかく、実際にどうなるかは、AIが出てみないと分かりません。
たとえば従来「コミュニケーションが大事」だと思われていたことについても、AIが普及すると、「コミュニケーションよりもAIの感情をはさまない判断力のほうが大事」と思われるかもしれません。

例えば、教職という仕事。
けっこう前ですが、子どもの教育にAIを、という話がありました。
AIが、その子どもの理解力にあわせて必要な問題を提示し、子どもが問題を解いていく。
子どもの教育とか成績って、数値化するのが簡単ですし、AIの得意分野になりそうです。
尤も、今のところ、数学のアプリが実用化されているだけのようですが。
それに、教職員の仕事は、学力アップだけではないですよね?
塾講師や家庭教師がAIになるのかな。

何回も書いていますが、代替するコストと、依頼するコスト、どちらが安く済むかということが重要だと思われます。
もしくは、「代替」のほうがずっと素晴らしい性能がある、か。
前回書いた弁護士の例のとおり、依頼すると高額な報酬がかかるものであれば、代替コストをある程度かけたとしても、その代替品(AI?ロボット??)の利用者がコスト以上の報酬を支払ってくれます。
また、検針員の仕事のように、スマートメーターという既にある通信技術等を応用して開発するものであれば、代替コストが比較的安く済むわけなので、代替されてしまうわけです。
教育AIについては、学校や塾の先生、家庭教師等よりも、しっかりと今の状況を把握した上で最適な提案をしつづけるので、子どもの学力が上がりやすい。
高校までの学力だったら、膨大な問題データを持つAIのほうが有利でしょう。
子どもが怠けないように、はげましてくれるんだそうですよ。

しかし…
AIって、スムーズに動くためには膨大なデータが必要です。
そんなに大量のデータ、誰が準備できるのかしら……。そんなにたくさん、すぐに準備できるのかな。

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